凡才の集団は孤高の天才に勝る
過去、数々の発明を生んだエジソンであっても、彼のアタマの中に突然アイデアがうまれたわけではありません。
それは、関係する多くの人々の連続した閃(ひらめ)きが元になっていたのです。
凡才の集団は孤高の天才に勝る―「グループ・ジーニアス」が生み出すものすごいアイデア
- 作者: キース・ソーヤー,金子宣子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2009/03/06
- メディア: 単行本
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イノベーションの源「グループ・フロー」とは?
「グループ・フロー」とは、いわば、そのチーム全員がフロー状態になって、まるでひとつの脳の中のシナプスが連続的に発火するようなイメージのものだと思います。(自分的解釈では)
そのようにグループ・フローの状態を保つには何点かポイントがあるようです。
- 小規模なタスクフォース
- ピラミッド式の序列がほとんどない
- グループ内の相互作用を楽しむようなメンバーがいること
- グループのメンバーが親しくなりすぎていないこと
そして次のゴア社のように
ゴアテックスを製造しているゴア社。ピラミッド式の序列が皆無に近い会社。役職も肩書きもごくわずか。
会社全体が小規模なタスクフォースから構成され、それぞれのチームは絶えず自主的に編成され、ニーズの変化に応じてチームの再編成が行われる。
「誰もが自分のボスだし、誰も自分のボスではないんだ」。それぞれのチームは時に応じて即興的に編成され、自主的に運営される。
- 自主的な組織であること
「研究開発」は、限られたのグループのタスクではなく、すべてのメンバーの中にあるもの
よく誤りりがちなのは、過去の知識を体系化してすべてを並べ立てて満足して終わってしまうパターンかもしれません。まとめ、は大切ですが、過去をならべるだけではイノベーションは生まれません。
(知識管理のDBをつくったとしても)この種のデータベースは、問題が何であるかがはっきりしている場合には、問題解決の大いに役立つ。だが、イノベーションは自分が何を探しているかまだ掴めていないときに生まれることが多い。
さらに、著者キースは言います
もし「研究開発」と呼ばれるグループから、すべての新しいアイデアが出てくるものと期待しているとすれば、その企業は、いまだに創造力に関する古めかしい直線的モデルを使っているということだ。
うーん。これは耳が痛いですね。
顧客とのつながりは一本の太いロープよりも、多くの細い糸で
自分はいわゆる開発グループの人間です。漠然とですが、顧客の要望を聞いてくるのは営業の仕事といった感覚がありました。
シスコシステムズの顧客は、同社の社員を平均20人知っている。企業というのは窓口が多いを難色を示す。顧客に混乱を与え、情報が錯綜するおそれがあると考えるからだ。顧客のほうでも、窓口を一本にしてほしいと望んでいると企業は思い込んでいる。「それは完全な誤りだ」とボストンコンサルティングのイブ・モリューは言う。「さまざまな人々が互いに効率的な形でつながっていれば、顧客と本物の関係を総合的に構築できるからだ」
引用のとおり、それは完全な誤りのようです。顧客と会社は営業だけでなく、自分という窓口を通してつながっているほうがもっともっと深い関係が築けるということです。ベルクロ(マジックテープ)のが多くの輪とカギでつながっているようなイメージでしょううか。
メモ
訳者あとがきの部分で、「凡才の集団が孤高の天才に勝る」ってなっていたのが気になりました。どうしたのでしょ。