peicozy's blog

マラソン、トライアスロン、ブルベの完走記と、日々思うこと

暗闇というものを思い出した〜あきる野市の大岳鍾乳洞にいってみた

ふと、目に留まった「鍾乳洞」

土曜の12時。
自転車で出かけようか、電車で出かけようか、車で出かけようかと思いながら、
地図を広げていました。
目にとまったのが鍾乳洞。

あきるの市の檜原街道から入った先に、三つ合鍾乳洞、大岳鍾乳洞、養沢鍾乳洞がありました。


川が近くにながれて、滝のマークもある大岳鍾乳洞に向かうことにしました。

細い側道の先に。

側道にはいると、急に道幅が細くなります。
車がすれちがうのがやっとです。


途中、工事現場のような採掘場があります。
採掘場のまんなかにあるトンネルを抜けるとその先が大岳鍾乳洞です。


ここまでくると、車もまったくなく、ひっそりしています。
それだけでドキドキしてしまいます。

売店&受付のおばあちゃんがかわいい

大岳鍾乳洞では、おばあちゃんが売店&受付をしています。
実はこの大岳鍾乳洞はおばあちゃんの旦那さんがみつけた鍾乳洞なのです。
おばあちゃんは今年で94歳。とてもかわいらしいおばあさんです。


おばあちゃんには、人を引きつけるオーラのようなものがあるように感じました。
使われなくなった売店のガラスケースには、おばあちゃんと観光客の写真が並んでいます。
日本はもとより、海外からも訪れたお客さんといっしょにとった写真が並んでいました。


入洞料

大人   500円
中学生  400円
小学生  300円
3歳以上  200円

鍾乳洞を発見したのはだんなさん

おばあちゃんは、大正4年生まれ。30歳のときに終戦をむかえました。
戦争中はこの地域でマンガン石が多くとれたそうです。
採取したマンガンは武器や兵器の材料になっていたようです。


だんなさんは、鉱石を掘る職人さんだったようです。
山々を切り開いていったときに、偶然にこの大岳鍾乳洞を発見したのだと思います。


鍾乳洞は現在全長300メートルのルートが完成しています。おばあちゃんいわく、

「実は内部にはあと700メートルほど未開の部分があるのよ。もう掘らないけどね。」

だそうです。

鍾乳洞に潜入

「ごくっ」っと思わず、つばを飲んでしまいました。
内部は気温が低いので、入り口から霧状になったモヤがでています。


こどもたち(小学3年と2年)は、ビビりまくっています。
3歳になる娘にいたっては、もはや歩こうともしません。


なお、入るにはヘルメットが必須です。
おばあちゃんから、「ではこのヘルメットをかぶってね。」と手渡されたとき、
心の中では「ええー!!、ヘルメットなんているのぉー」と思っていました。


ですが、入って10メートルも進むと、「ガツン」。
3歩進んで「ゴチン!」


中は狭いのです。
めちゃくちゃ頭ぶつけます。おばあちゃんのいうとおり、しっかりヘルメットをかぶりましょう。
カッコつけてかぶらずにいると、血だらけになります。

ジリジリと言いながら電球からひかりが失われていった。。。


途中、狭い通路で小休憩をとっていました。
通路には、電線にぶらさがって等間隔でならんでいる電球が足元を照らしています。
すると、その電球の一つがじんわりと光を失っていきました。


「ジリジリジ。ジ。。ジ。。。。。。」


たった一つの電球が消えただけですが、
通路がぐっと暗くなってしまいました。
足元のぬかるみが、どうにか見える程度です。


「まさか!、通路の電球が消えてしまったらどうしよう!!!!!」


と、脳裏に嫌な想像がふくらんでいきました。
ゴクウ(寺沢武一作)を思い出しました。
世界中のコンピュータにつながった主人公、風林寺悟空が「シャーット」と言うと、街中の明かりがつぎつぎに消えていくシーンです。

つぎつぎの浮かんでくる自分への問いかけ「ドウスル?ドウスル!?」

次に頭に浮かんだのは、持ってきた持ち物の中で、明かりとなるものは何か?という問いかけでした。


「あかり、それは携帯だ。
携帯にについているカメラ用のダイオードライトだ。」


その次は、出口へのルートです。


「このまま真っ暗になったとしてたら、今来た道を戻ったほうが近いのか?
それとも先に進んだ方が近いのか?」


一瞬のうちに、さまざまなことが脳裏を駆け巡りました。
結局、通路はそれ以上暗くなることはありませんでした。


ふだん、いかに「光」の中で生きているのかを改めて感じました。
昔はこのような「闇」が生活にあったんだなぁと思いました。

「闇」に関連する書籍

闇を歩く

闇を歩く

「闇を歩く」には大岳鍾乳洞のことが載っています。
本によると、大岳鍾乳洞のされらに奥にある養沢鍾乳洞は、懐中電灯で探索するようになっていたようです。今は閉洞しているそうです。
僕が行った時には、養沢方面は土砂崩れで車両通行止めになっていました。

もっと五感で感じよう

鍾乳洞の体験で感じたことは、「もっと五感で感じよう」ということです。
ブラウザを通して、一瞬のうちにさまざまなことを調べることはできますし、
さまざまな映像をみることができます。


ですが、それは感じ取れることのほんの一部でしかないということです。
実際に体験してみないと、鍾乳洞の中の狭さや、じっとりとひんやりした空気
は感じることができません。


しばらく使わなかった自分の感覚を取り戻すのに、鍾乳洞はいかが。