peicozy's blog

マラソン、トライアスロン、ブルベの完走記と、日々思うこと

アイアンマンケアンズ2013完走記 〜自分の中に自分自身の存在を感じた〜

レース前

4時起床、前日の晩にツアーデスクでもらったおにぎりをベッドの上でほおばる。外はまだ暗い。路面は雨上がりで黒く光っている。


T1へ向かう、昨晩しっかり降った雨でどのマシンもぬれている。ケアンズのバイクラックはサドルをひっかけるのではなく、ブレーキレバーをひっかけてある。ラックに余裕がないとできない。1本のラックの前後からバイクをひっかけるひしめき合いはない。


出国直前に張り替えたコンチネンタルS4000に7.5気圧まで入れる。タイヤのバリもまだしっかり残っている。


補給食はパワーバー2本、HIGH5バー2本、と塩タブレットをバッグに詰める。
それ以外のジェル4本、パワーバー3本はトラウェアの腰のポケットに入れるので、ブルーのトランジションババッグに入れてある。


アイアンマンのトラバックはわかりやすい。青い、BuleはBikeのトラバッグ。
赤い、RedはRunのトラバッグだ。


ウェットに着替えギアを預ける。雨でぬかるみになっていて、足はドロドロだ。皆で桟橋まで歩いていこうとした時に、高浦さんがサンダルを預け忘れていたことに気がついた。慌ててすでに山積みになっているギアの中から係員に探し出してもらう。他にも、いったん預けた荷物を探してもらっている選手がいて、係員はなんだよおまえさんも、か。なんて顔をしている。


スイム会場へ。桟橋に並ぶ.。ツアーでたまたま同室になったベテラン大石さん、高浦さん、大木さんと一緒だ。大石さんはこのケアンズで14年連続アイアンマンを完走となる。毎年故障せず連続出場、しかも完走なんて素晴らしい。自分もそんな風に歳を重ねたい。


アイアンマンスタートの1時間前、70.3の選手がスタートしている。1.9kmを一周回だ。雨は上がり、青空がみえていてとても清々しい。コースを示すコーンからどんどん離れていく選手がいる。ライフガードが追いかけて、正しいコースに導いている。自分がコースを見失うなんてこの時は思っていなかった。


ペットボトルの水をちびちび飲みながら待つ。少し小腹がすいた。ツアーで支給されたおにぎりを食べてから2時間近く経つ。何かバナナかジェルでも持ってくればよかった。

スイム

桟橋からザブーンと海に飛び込んだ。聞いていたとおり水中の視界はない。
プカプカ浮きながらゴーグルを水に浸し付け直す。少し試泳をしてみる。じわっとゴーグルの下側から水がしみ出すようだ。。。ヤバい。
顔に日焼け止め塗りすぎたかな。。。


前をむくと、高浦さんと、大木さんが手を振っている。その後ろにボートに乗った係員が
「スタートまであと1分だ。」と叫んでいる。フローティングスタートの余韻もあったもんじゃない。バタバタとスタートした。
マイペースでいこう。


スタート直前後ろを振り向き桟橋をみるとまだ桟橋上で選手が渋滞してた。おそらくスタート時には海に入れなかったんじゃないかな。


宮古島も五島もちょうどいいペースの選手をペースメーカーにして泳いでた。ケアンズの海は海底が泥なので濁っている。視界は数メートル。「ケアンズ グレートバリアリーフ」と大会のロゴにもなっているけど、残念ながら海の透明度は低い。


慣れないヘッドアップで方向を確認する。いや、とにかく手を回していれば前に進むだろうし、方向が間違ってたら誰かにぶつかるだろう。と思ってた。
まわりに誰もいなくなった。ずいぶん泳ぎやすいもんだとぐるぐるマイペースで泳いでた。。。気持ちよく。


右でブレスした。サーフボードに乗ったお兄ちゃんがすぐそばでなにやら言っている。こっちじゃないぜと教えてくれた。左手に赤い三角のブイを見ながら泳ぐつもりがだいぶ方向がずれてたらしい。どおりでまわりに誰もいないわけだ。。。


その後もライフガードに2度正された。
特に復路では、白いブイを目印に進むのだけど、まったく違うところを泳いでた。左手のはるかかなたに白いブイが見える。白いブイ沿いに左から右へ泳ぐ選手たちにむかって、直角に交差点に向かっている。なんでこんなとこに居るんだろ、、、俺は。


そういえば、いままで出た大会のスイムはすべて反時計周りだったな。宮古島も、五島も、珠洲も。たぶんまっすぐ泳いでいるつもりでも次第に右にズレてしまうのだ。コースが反時計まわりならコースロープやブイに当たって気づくけど、ケアンズは時計まわりなので、際限なくコースアウトしていったのだ。。。


ヤバい時間が、、
1周回終わりまであと400メートル。結構時間かかってる気がしてGARMINを見る。50分。1500メートルしか泳いでいないのに、、、50分!


マズイ、非常にマズイ。
スイムで足切りなんて考えてなかったけど、
時間制限は、、、確か2時間20分だ。急げオレ。
のんびり泳いでいる場合じゃない。


1週目後半は魚のような速い選手に抜かれた。後ろから魚群のようにバチャバチャと音がしたと思ったらあっという間に過ぎ去った。そう、周回遅れになったのだ。
桟橋から次々と上がる選手を横目で見ながら、2周目に入る。これから2周目なんて少数派だけど自分以外に数人は居るのだ。


選手が少なすぎるのでぶつかることもない。ブイを1つ1つ目標に定めて泳いでいった。3回かいては前を見る。プールで延々と下を見つめている泳ぎとは違い、なんだかリズムが取りずらい。泳ぎに没頭している感覚がなく、常に確認している感じ。


ブイは100メートルごとに数字が書いてあって、少しずつだけど進むのが楽しかった。それに引き潮にのって沖にでるのは速いのだ。


ワラワラと集まってくるライフガード
2周目の復路、最後の800メートルだ。復路はサイコロのような白いブイを目印にして進む。波が出てきた、左からうねるような波。酔ってしまいそうだ。
1周目よりは確実にブイのそばを回っているはず、でも、なかなか次のブイにたどりつかない。岸から海に向かって流れる引き潮に逆らって桟橋に向かって泳いでいるからだ。


スイムタイムアウトの恐怖がよぎった。


ーーー レース後、同行の2人が楽しげにバイクやランコースの話をしていたらどうしよう。。。
ーーー せっかく海外まで来て初めてアイアンマンにチャレンジしたのに、視界のない海泳いでおわり!?になるのか。。。
ーーー レース後はすぐにインド駐在が待っている、、、リベンジするとしても3年後か、、、
ーーー 水曜の帰国便まで、どんな過ごしかたをすればいいんだ、、、
ーーー トラ仲間になんて報告をする、、、



そうこうしているうちに、ワラワラとライフガードが集まってきている。
残り600メートル。
オレ相当ヤバいんだ。ちょっとでいいからそのサーフボードでひいてくれないかななんて思った。


とうとう2時間を回った。とにかく、このひとかき、ひとかきに集中するしかない。スイムタイムアウトだとしても、お前は腕が上がらないくらい必死だったか?と自問自答するだろう。


最後の100メートル。桟橋はすぐそこに見えるのに、なかなかたどりつかない。ブレスは左ばかり。溺れているように見えるだろうな。でもなんでもいい、たどり着きたい。バイクにのりたい。ケアンズの街を、道を、海岸線を走りたい。。。


桟橋の階段はずいぶん段数が増えているようだ。潮がだいぶ引いたのだ。
あと少し、あと少し、


手すりに手をかけた、どこから階段かわからない。
足がついた。時計を見る。
2時間13分


ずいぶん長いこと泳いでいたもんだ。スイムを終えただけなのに、とてつもなく嬉しいぞ。
T1までを小走りに行く。多くの選手が駆け抜けた空気を感じる。もちろんこんな時間まで応援してくれる人は、まばらだ。


シャワーをあびる。スイムが間に合った嬉しさがこみ上げる。よかった、奇跡的に首がつながった。

  • スイムタイム 2時間13分49秒
  • カテゴリ順位 213/213 位(最下位!)
  • 男子順位 939位
  • 総合順位 1137位

T1

応援はまばらだ。「がんばって」、「グッジョブ!」って言われるだけで涙が出てくる。


ブルーのバッグをもってテントに入る。
ぎっしり鈴なりだったバッグもポツンと残っているだけ、わかりやすいったらありゃしない。


着替えテントに入る。
薄暗い中テント内にはそれでも5、6人の選手が着替えている。着替え終えたトランジションバッグは数百番ごとに籠に入れる。


自分はなるべく動かなくてよいように、700ー800番の籠の前の椅子に腰をおろす。この籠に790番、自分のギアを入れるのだ。バイクシューズに詰めていたジェル2本を飲み干し、バイクゴーグルをかける。足が湿っていて靴下がはきずらい。すこし斜めに履いてしまったのを直す。


脱いだウェットをトラバッグに詰め込んでいたら、係員が手伝いに来てくれた。ありがたい。それとも手伝う必要があるほど時間がヤバいのか。。。後者に解釈して急いだ。


テントを出るとまぶしかった。なんだかニヤけてしまう。パチパチをまばらな拍手。すでに70.3とアイアンマンで2000人近くの選手が駆け抜けた道をトコトコと進む。ようやくバイクパートにたどり着きましたよと顔に書いてある。


ここでも「グッジョブ」って言われる。
小さく拳をかためて返す。


イクラックは奇麗になにもなくなっていた。自分のバイクを探す必要なんてない。終電の終わった駐輪場にポツンと1台だけ取り残されたようなおいらのバイク。お待たせしました。


ラックからバイクを取り出し、乗車エリアへ進む。
見たところ、自分以外にバイクラック場にいる選手はいない。


なにやらアナウンス。ゼッケン790番のコージがバイクスタートしたぜって言っている。


ふぅ。よかった、ひとまず2種目までは楽しめるぞ。

  • T1タイム 9分4秒
  • カテゴリ順位 145/213
  • 男子順位 654/945
  • 総合順位 784/1143

バイク

バイクコースはケアンズの待中をスタートし右手に海を見ながら北上する。約60km先のポートダグラスの街を折り返しとし、一部2周回してT2のある街に戻る。最高地点でも標高57メートル。アイアンマンレースの中では平坦なコースだ。


昨年バイクコースのきつい五島を完走しているし、坂は少ないので宮古島くらいの平たいコースだろうなって思っていた。言い訳だけど、インド赴任準備も重なって外でバイク乗る機会はめちゃくちゃ少なかった。やらないよりマシだと思って10日間ほど毎日3本ローラを漕いだ。youtubeケアンズのコースを眺めながら。。。


ケアンズの街を出る。エスペラード通りの右手は公園でその先は海、左手はレストランが並ぶ。公園には無料のバーベキューグリルが設営されていて、誰でもガスをひねれば肉が焼ける。オージーはバーベキュー好きなのだそうだ。高浦さんと、打ち上げはバーベキューだな。なんて言っていた。


ポツンと一人バイクをこぎ始めると、レストランのお客さんからも声援を受ける。応援がいる街中を一瞬で抜け、幹線道路沿いにでる。


ケアンズの交差点の多くはロータリー式で、時計回りにぐるりと回りながら放射状に進みたい道を行く。コースロストしないように誘導のコーンが並んでいるけど、係員は必要最低限しかいない。


工事現場のような黄色いベストを着た誘導員の指示に従う。通りと過ぎるとき「グッジョブ」と笑顔で返してくれる。なんだか、こんなにのんびりしたサイクリングになって、グッジョブもなにもないよな、と半分苦笑いしながら通り抜ける。


前半はサトウキビ畑の脇を抜ける、追い風も手伝って時速30kmを下回ることはない。サトウキビが進行方向に向かってたなびいているのが見える。ほんとうにこれは畑なのかな、ただ単に大量にサトウキビが生えちゃってるだけじゃないのかな。


最初のエイドに到着。エイドは、ボトル捨て、水、スポーツドリンク、補給食、バックアップ、ボトル捨ての順に並んでいる。エイド内のサービス順は要項に記載がある。デガスコーラといって炭酸の抜けたコーラも受け取れるエイドがある。コーラは糖分もカフェインも含んでいるので眠りかけたカラダに効くのだ。


バイクスタートから20km。ボトルも補給食もまだ十分なのでバナナだけ貰った。


ここまで単独走だ。抜いたのは1台だけ。かな。
とにかく他の選手が見えない、居ない、本当におれはレースやってるのだっけ?と少々不安になる。


70.3のランパートを走る選手が道の反対側を進んでいるのが見えた。1人、2人、ポツポツと走っている。トップの選手なのだろう、トライウェアがやたらカッコいいな。

いつのまにか、ランパートの選手は消え、バイクパートの選手を目にするようになってきた。皆70.3の復路の選手だ。


単独走は続く。レースで数カ所交通規制になっている影響で車は渋滞のだ。選手である自分は長い、長いクルマの渋滞を右手に見ながら進む。クルマの窓から手を振ってくれたり、ガラガラと熊よけ鈴で応援してくれる人もいる。渋滞でも楽しんでいるのが伝わってくる。オーストラリアはトライアスロンが盛んだものな。




このコースの最高地点レックスルックスアウトに近づくにつれ、前からの選手が増えてきた。ハァハァと息づかいが聞こえてきそうな選手、70.3の後ろのほうの選手だろう。オレもがんばるからお前もがんばれと心の中で言ってみる。


クロコダイルの動物園をすぎると、周回コースだ。2周回目のTTバイクの欧米人にガシガシ抜かれる。ディープリムやディスクなどゴォーッと音をたてながら自分を抜き去っていく。出来るだけ道の左端を邪魔にならないように自分のペースで漕ぐ。次に出るときは、TTバイクでゴーッ走るぞ、なんて思う。


ふと左手に、見覚えがあるジャージ。高浦さんだ。バイクをおりてホイールを取り外してなにやらやっている。あっと思いながら声をかけ損ねた。スイムでめちゃくちゃ出遅れたので、遥か先を走っていると思ってたけど、バイク1周目でパスしてしまった。大丈夫だろうか。。。


スイプアップの時にバイクの足切りのことが気になっていた。T2の到着がレース開始から10時間30分と決められている。スイムとT1でしっかり2時間20分使ったので、バイクに当てられるのは最長で8時間10分なのだ。追い風に乗って漕いでいたときは時間制限のことをすっかり忘れていたけれど、高浦さんのパンクを見てそんなに余裕はないなと思い直した。レース中は何がおこるかわからないのだ。


レース前日に、バイク預託時に撮った写真をfacebookに載せたら、チェーンが伸び気味とか、ハンガーの張りが足りないとかダメ出してもらった、もう遅い、メンテする時間はない。IMケアンズの後はすぐにインド赴任なのでしばらくレースはない。最低限のメンテと自分を納得させて、タイヤを張り替えただけだった。いまさらながら、バイクショップでチェックしてもらえばよかったかな。



もうレースは始まってしまった。あとは、バイクトラブルが起きないように、祈るだけだ。チェーンが切れたり、ギヤにトラブルが起きないかどうか、少しの異音も聞き逃さないように走った。だったらちゃんとメンテしておけよ、という自分も居たけど。だって時間がなかったのだもの。。。



周回コースにはいる前の単独走で眠気に襲われた。スイムで2時間以上も泳いだのだ、エネルギーを相当使ってしまっただろう。以前兄も、バイクで眠くなるんだ、って言ってたのを思い出す。体がエネルギー不足なのだ、お腹が空いていなくても、パワーバー1本をむしゃむしゃ食べた。口いっぱいに甘っとろいかたまりが占有する。ボトルに入れてきたゲータレードを口に含むがいっこうにとける様子はない。くそう早く胃袋におさまりやがれ。



周回コースはレックスルックアウトまで登り、多少アップダウンを繰り替えす。
レックスルックアウトに到着した。コース上の最高地点だ。折り返しコース内なので計4回通る。遠くの海岸線まで見渡せて気持ちいい。ここにはバイクメカニックとペナルティボックスがある。単独走が多かったので本当にマーシャルが居るのかな?なんて思ってたけど、周回コース内はバイクに乗ったマーシャルが何台も回っていた。



レックスルックアウトを過ぎると下り。五島の時は下りも一生懸命漕ぎまくってた。結果ランの脚が残らず、ランがものすごく苦労したのを覚えている。だから、ケアンズのバイクの下りは漕がないことに決めていた。できるだけ、ランに脚を残すのだ。まあ、それ以外に絶対的な練習不足なので、なるべく頑張らない、ことしか完走への道はないかなと思ってた。


IMケアンズのコース紹介のyoutubeを思い出す。そうそう、この光景と思いながら漕ぐ。ただしyoutubeのコース紹介は25分間で全行程を走りぬけちゃうけど、自分で濃いでみると果てしなく遠い。


そういえば、同じツアーの女性選手はこのコースを5時間30分で駆け抜けたのだ。自分は7時間。1時間半もなにをやっていたのだろう。。。



バイクコースの途中。ここから先折り返しの標識があった。もう少し行けばポートダグラス折り返しだ。って内心喜んでた。でも、いくつもいくつもロータリー式の交差点を越えても折り返しにならない。もしかして、バイクコース用の標識ではなくて、一般の標識を見間違ったのかな。。



それでも、徐々に街になってきた。これまでずっと、人がまばらな道を漕いできたので、なんだか嬉しい。そういえば、宮古島も五島も、バイクコースの全域に必ず応援してくれる人がいたっけ。自分は、見知らぬ誰かの応援に、毎回元気づけられていたんだな、と思う。



ポートダグラスの街に入った。道の両側に木々が立ち並ぶ。奇麗に刈られた芝生。すらっと背の高い白人女性が2人、ベージュのワンピースが揺れている。バカンスにでも来ているのだろう。いますぐここでバイクを降りて、君たちとワインでも飲みたいよ。なんて思う。彼女らはやさしく手をふってくれた。はい、頑張ります。



美しい街だ。ガイドさんによると、クリントン元大統領が保養でよく訪れた街とのこと。


沿道に、立ちひざでぐっといいねのように拳を出してくれる日本人。あれ、この人宮古島で見た気がするのだけど、気のせいかな。


もうすぐ折り返しだ、スペシャライズドの赤い横断幕が見える。ようやくここまできた。沢山の声援を受ける。やっぱり、自分の力だけでない、何かをエネルギーを声援から貰うんだな。だって声をかけてもらうだけで、なんだか元気が出るんだもの。


横断幕をくぐり、ぐるりとUターンする。ここでも「ゼッケン790番、日本からエントリーのコージだぁ!」ってアナウンス。一瞬のヒーロー。


折り返しすぐ日の丸をもった男性。ありがとう、なんだか嬉しいよ。折り返してもう一度ここに来るよ。


1周回目復路、同じ道をたどる。往路で右手にみた海岸線を左手に見る。エイドでは必ず炭酸抜きコーラと水をもらった。あまったるいコーラが体にしみる。コーラは赤いボトル。水は白いボトルと決まっているようだ。わかりやすい。ボトルは何のラベルもロゴもなくシンプルそのもの。前からくる選手が赤いコーラのボトルを体に向けて、ジャバジャバと浴びている。うわぁ、あの選手カラダじゅうコーラでべとべとになってるよ。なんて思ったけど、きっと中身は水だ。赤はコーラと決めつけてたけど、そうじゃないらしい。


ポートダグラスからの復路は向かい風だ。DHポジションで、前から受ける表面積を出来るだけ小さくして進む。熊谷まで180km漕いだとき、荒川土手の上は強烈な向かい風だった。前からくるママチャリが漕がずにかっとんでいるのに、風に向かっている自分はめいいっぱい漕いでも時速17kmだった。それに比べればたいしたことない向かい風だ。頭を低く、小さくなって進む。


下り坂で女性選手に追いついた。重いバイク、重いホイール、なので下りには強いのだ。下り坂の底で横に並んで、「あらお先にどうぞ」みたいなことをいわれた。続く登り坂で追い越した。彼女は2周回を終えてT2に向かう途中、自分はもう1周回残っている。


いくつかアップダウンしたあと、ようやく折り返しに着いた。バイクはまばら、この時間帯で2周回目に入るバイクなんてほとんどいない。折り返したあと、すれ違うバイクは皆、あら、お前さんはこれからポートダグラスにもう一度向かうのか。頑張れよ。みたいな顔をしている。


なんだか、レースそのものが楽しくて、ずっと笑顔で漕いでいた。ニコニコしてT2に向かっているとすれ違う選手ひとりひとりと目があった。すれ違う選手は、何も言わずとも、うんうんわかるよ楽しいよな、そう苦し楽しいんだよな。と、こくりとうなずいた。同じレースを楽しんでいる、共同体というか、わかりあえたもの同士なのだ。


ただ、うなずきあうだけで、じわり涙が浮かんだ。


今日は曇り空で助かった。青空が広がっていたら、日本の5倍と言われている紫外線でものすごいダメージを受けていただろう。心地よい疲れ、スイム直後に感じた眠気はもうどこにもない。バイクそのものを楽しんでいた。風を、流れていく景色を。


大木君をパスした。黒のジャイアント、なにやら脚をのばしてみたり、ダンシングしてみたり、同じ姿勢が耐えられなくなったのか、いろいろポジションをかえて漕いでいる。大木さーん、と声をかけながら、DHポジションのまま抜いた。これでスイムで遅かった分は取り返したかな。


2周回目のポートダグラス折り返し、横断幕をくぐり、Uターンする。次にこの街を通り抜けるのは何年後だろう。最後だと思うと何もかもがいとおしく思えてくる。しばらくして高浦さんとすれ違った。皆、無事にランパートまで行ってほしい。


街を終えると、人もまばらになってくる、交差点もなく道を間違えようもない。誘導員もいない。ドラフティングする相手もいないのでマーシャルもいない。静かに、じっと自分と向き合う時間が増えた。


左手に海岸線、波の音が聞こえる。木々は道の両側から大きくおおいかぶさり、日差しをさえぎる。一人きり、前後に選手はいない。
黙々と、淡々と、自転車を漕ぐ、
ひとりぼっちのはずなのに、なんだかいつまでも付いて回るヤツがいる。
ずっと、ずっと一緒に居るヤツがいる。


ふと、自分自身の存在を感じた。


寝ても、覚めても、どこにいても、俺の意識と一心同体なのだ、オレはオレから離れることはない、死ぬまでコイツと生きていくのだ。


だったら、オレがどう感じるか、どう思うかにもっと耳を傾けて、思いのままに生きよう。一生どこまでもついてくるのなら。



、、、バイクを漕ぎながら、そんな事を考えた。というか、感じた。
そう感じる機会を与えてくれた、アイアンマンに出て本当によかった。



陽が傾きはじめた。バイクは終わらない。周回コースの後も30km近くある。少しずつ、残りの距離が短くなってくる。あと10km。フレッシュな体だったらたわいもない距離。ただ平坦な道を10km進むだけなのに、なかなかたどり着かない。GARMINはすでに180kmを超えている。五島の時は175kmくらいで終わったのだけどな、、、長いな。あとでサイクルコンピュータみたらきっかり180kmだった。


いつのまにか、幹線道路沿いに出て、クルマが渋滞する中を走ってた。左手に交差点が見えるたびに、T2かな、そろそろかな、なんて思って漕いだ。


前には選手が二人、女性と男性だった。いまさら抜く元気もなく。3人同じペースでT2に向かっていた。誘導員が左をさしている。おかえりなさーいと出迎えてくれる日本人の応援団。スイムで足切りだと思ったけど、どうやら自分の脚で走ることもできそうだ。少しづつでも前に進んでいることがうれしい。T2のバイクキャッチャーにバイクを預けた。


  • バイクタイム 7時間5分12秒
  • カテゴリ順位 202/213 位
  • 男子順位 864位
  • 総合順位 1022位

T2

陽が傾いてはいるがまだ明るい。赤いトラバックを手にテントに入る。T2はスタートエリアから離れているので土曜日に預託しておいた。ギアを当日朝再確認できないのは不安だが、シューズも、キャップも、ゼッケンも、ジェルもしっかり入っていた。


バイクから降りるとき、丸めていたビニール袋とコンタクトレンズをバイクから忘れずに引きはがした。ビニール袋は頭と腕が出るように穴をあけておいた。夜に走る事になるランで体が冷えた時に用意したのだ。昨晩、大木さんからビニール袋をいただいて即席でつくった。このビニールがランでとても役に立った。


プラスチック椅子にこしかけ、ソックスを履き替え、バイザーをかぶる。ゼッケンは売店でアイアンマングッズを沢山買ったおまけでもらった赤いゼッケンベルトを使った。バイクパートでのゼッケン着用は任意だったので、迷わずランだけつけることにしていた。


バイクメットにバイクゴーグル、シューズにソックスを丸め込み空になったトラバッグに詰める。テントを出てトイレへ。レース中トイレに入ったのはこの1回だけだった。接種した水分は、大量の汗と、少しの涙で体のそとに出て行った。


T2内のエイドで、バナナとジェルをもらう。バイクエイドでマンゴーのジェルを何本も飲んだ。フルーツの甘みが美味しかったのでランスタートでもいただいた。塩があるか聞いたけど無かった。後ろにしていたバイザーのつばを前にかぶり直しいよいよ出発だ。


  • T2タイム 6分52秒
  • カテゴリ順位 135/213 位
  • 男子順位 653位
  • 総合順位 787位

ラン

ランコースはT2を出て港町をぐるりと一周したあと、幹線道路沿いを空港方面に南下、最後はスタートエリアの公園内を3周回してフィニッシュとなる。要項をよく読んでいなかったで、最後の周回を2周回だと思っていた。


ランスタート直後は狭い路地だ、路地を抜けて左に曲がる、静かな住宅街のゆるかやかカーブを進む。前方に選手が一人見える。とにかく、ランパートに移れたことがうれしい。自分の脚で一歩一歩進んでいることが嬉しい。


夕暮れが迫っていた。最初の1キロは5分台だった。速すぎる。うれしさが前面に出てしまったのだろう。少し押さえる、キロ6分台で走る。4月にチャレンジ富士五湖で100kmを完走したあと、長い距離は走っていない。42kmくらいなら、こなせるだろうと思ってた。


最初のエイドに到着。ここでも塩はないかと聞くと、ないけどベジマイトとなめろという。ベジマイトはオージーの国民的食べ物でトーストに塗って食べたりする。ホテルの朝食にも置いてあったので試してみた。茶色のペーストでジャムのように甘いのを想像していたけれど、しょっぱかった。塩のかわりになめろと言われて、ベジマイトがエイドに置いてある意味がわかった。


きっかり2キロ毎にエイドがある。ペタペタと前に進む。久々のランだ。頬にあたる風が心地いい。やっぱり自分は3種のなかでランが一番好きだなと改めて思う。自分のペースでゆっくりと景色が移り変わっていく。踏み出すたびに感じる振動、息遣い。オレは、、、生きている。



足下が暗くなってきた。エイドに寄ったとき蛍光バンドを腕にまかれた、次のエイドでは背中に反射素材のテープを貼られた。追い越しながら騒がしく応援してくれるクルマ。元気に応える余裕はないけど、わかったよ頑張るよ。


大通りに出た、自分は左に曲がる。往復コースになっているので復路の選手とすれ違う。笑顔ですれ違うと笑顔で返してくれる、元気をもらう。道路になにやらチョークでメッセージを書いている女性。I LOVE YOU って書いている。チョークのメッセージを指差しながら、アイラブユー、アイラブユーって大声で唱えてみた、女性は笑っていた。


スプラッシュ?エイドに立ち寄ると、子どもたちが寄ってきて言う?すっかり疲れきって頭が回っていない自分は、スプライトが飲めるものだと思って、イエースと応える。子どもたちはやった!という顔をして、コップにたしなめていた水を僕のお腹にぶちまける。そうか、スプラッシュってそういう意味だったのか。すっかり陽がおちて、これから涼しくなるというのに水をかぶっている場合じゃない。


次のエイドでもこどもたちが駆け寄る。「スプラッシ?」、ぼくがノーと応えると残念そうに引き下がる。ごめんよ、熱くなるほどハイペースで走れないんだ、このおじさんは。


歩道を走る。マラソン大会のように、大人数ではない。十分選手がばらけていて、歩道をあけてくれるだけで十分だ。そもそも1000人しか居ないのだ。ヒタヒタと選手が走る。
住宅街のくらがりを走っていたら、車いすの選手に追い抜かれた。三種をすべて腕だけでこなしているのだ。すごすぎる。腕で泳いで、ペダルのかわりに腕でくるくるとギヤをまわし、最後は腕で車いすをころがす。


100kmマラソンに出たんだ。42kmなんて半分以下じゃないかと心のどこかで思っていた。1キロ減るごとに、あと30数キロしかないのか、寂しいな。と思っている自分がいた。でもそれとは反対に、自分はどこまで走れるだろうか。どこから歩きとランを取り混ぜようか、と問答している自分もいた。


エイドに着いた、次のエイドは2キロ先だ。少し飲んで、少し食べて、走り出す。2km先のエイドまでは走ってみよう。もし、たどり着けたなら。次はその時考えよう。なんて思いながら走った。


道路に点々と置かれていた蛍光ステッックが、風に吹かれて草むらに転がりこんでいる。歩道をおぼろげに照らしていたのに、足下は暗闇のなかだ。そろりそろりと走る。ちょうど同じペースの選手を見つける。抜きつ抜かれるにもならず、だたヒタヒタと後ろにつかせてもらう。2つほどエイドまでひっぱってもらった。紐でひっぱってもらったわけでもないのに、ついていくってエネルギーの消費が少なくてすむな。


後ろから声をかけられた。大木さんだ。バイクでだいぶ離したつもりだったけど、そんなに甘くはないんだな。大木さんは自分を抜き去りあっという間に前にいってしまった。


風が出てきた。次のエイドで温かい飲み物があるか聞いてみよう。でも、冷たい飲み物しかなかった。このままでは体温を維持するのにエネルギーを使ってしまう。ゴミ袋で作ったウィンドブレーカを羽織った。スプラッシュで濡れてしまったお腹があたたまる。少しペースアップしたのか、前の選手が落ちてきたのか、淡々とラップを刻み、5人ほど抜いた。


暗い幹線道路の先に、ぼわっと白いライトで照らされているのがエイドだ。
あの明かりまでは走ろう。


左に折れ、公園内に入った。公園内を3周回してフィニッシュゲートに向かう。
周回コースとはは知っていたけど、2周回だと思ってた。
フィニッシュゲート近くは大勢のひとで盛り上がってる。


ゼッケンにKOJIと書いてある。近くにくるとコージとかコジとか呼びかけてくれる。ゼッケンに名前が書いてあるっていいな、と思った。


公園内のコースは遊歩道だ。ゆるやかなカーブが続く。雨が降ったりやんだりで路面がぬれている。幹線道路沿いを走っていたときほど風はない。かぶっていたゴミ袋をいつ脱ごうかと思いながら走る。


しばらくすると、遊歩道から一般道路に出る。まばらだった観客がコースの両脇に連なるようになった。そうなのだ、ゴールが近いのだ。おいらはまだ1周回目だけど、3回目に通るときがフィニッシュだ。


周回チェックはゴムバンドを貰う。一周回目は黒、2周回目は白だ。沿道の観客は腕についたバンドなんて見ていないから、どの選手もフィニッシュだと思って大盛り上がりだ。


公園内に入り1kmごとにランとウォークを繰り返していたけれど、この大声援の前では走らないわけにはいかない。自分は、自分の意思だけでなく、誰かに突き動かされて生きているんだなと思う。独りになると、ふと、まあこのくらいでいいだろうなんて思って手を抜くけど、やっぱり誰かに見てもらえたり、応援してもらえるってすごく大きい力なんだと思う。


大声援に囲まれて、沢山のハイタッチをしたけれど、おいらはまだ1週目だ。赤いカーペットを走り抜け、フィニッシュゲートに向かう選手を横目に見ながら、周回コースを進む。フィニッシュはどんな風に迎えよう。なんて思いながら走る。


フィニッシュゲートの先は、公園に隣接したレストランの脇を通る、皆酔っぱらって盛り上がっている。大騒ぎだ。ふらりとブロンドの女の子がレストランから出てきて、少しよろけながらグッジョブなんて言ってくれる。こちらは酔ってなくてもよろけそうだよ。


レストランを抜けると、ヨットハーバーのウッドデッキを走る。デッキは雨でぬれている。ここまでくると応援はほとんどない。弱い自分がオモテに出てきて、ちょっとだけ、といいながら歩く。


再び、声援を受けながら、走りだす。あと2周目か。長いな。


フィニッシュゲートから離れていく、止んでいた雨が再び強く降ってきた。この雨じゃ沿道の応援も消えてしまうだろうか。なんて考えた。
まだ、ゴミ袋はかぶったままだった。よかった脱がなくて。雨に打たれて冷えてしまうところだった、残り14kmくらいかな。フレッシュな体だったらなんでも無い距離がとても長く感じるよ。


ランパートに移った直後は、100kmマラソンに比べたら半分以下か、短いな。なんて思ってたけど。残りの距離が短くなっても、果てしなく長く感じる。制限時間は17時間。てくてく歩いてもゴールできるだろう。はじめてのロングだった2011年宮古島では結局一歩も歩かずにゴールできた。翌年の五島は歩いてしまった、一歩一歩踏み出すのが辛かった、今年4月の100kmマラソンもゴールを確信してから歩いた。


しばらく、駆け抜けるレースをしていないな。。。弱いわ俺。でも、そんな俺でもアイアンマンになりたい。


雨は続いた。芝生を横切るとぐちゃりとシューズが沈み込む。遊歩道のコースは木々に覆われて雨の影響はあまりない。吹きさらしじゃないから、風もないのかといまさら納得した。


2周回目に突入。あと1回この折り返しまでくるのか。折り返し地点に係員はいない。計測用の機器がポツンと置かれているだけ。選手が通るたびに、ピッっと電子音が鳴り、計時していることを知らせる。


公園内で高浦さんにも抜かれ、2人は前を行っている。すれ違ったのはどれくらい前だっけ。ガンバと声をかけあった。


雨合羽代わりのゴミ袋をいつ脱ごうかと考えていた、フィニッシュエリアのそばで盛り上がってるオージーの前で、べりべりっと合羽をはぎ取り、うぉーっと叫んで盛り上げようなんて考えていた。


が、フィニッシュエリアに近づいてきたら雨脚が強まってきた。沿道の声援も1周回目ほどはいない。それに今脱いでしまったら、やっぱり寒い、かも。なんて思ってまだしばらく着たままでいた。フィニッシュゲートを右手にみながら通り過ぎ、次のエイドで合羽を脱いだ。汗ばんだ体に風があたりひんやりとする。あと1周だ。


再びフィニッシュゲートを今度は左手に見ながら通りすぎる。選手はほんとうにまばらになっている。そりゃそうだ。自分はスイムで2時間以上かかり、バイクだって7時間も乗っていたのだ、まわりに人がいないのはあたり前だ。


3度目の折り返し地点を目指してフィニッシュエリアから遠ざかっていく。右手は真っ黒闇。海上に明かりはない。ひたひたと黒く湿った道を行く。あと少しで今日が終わるのか。必死で泳いだスイムが懐かしい、気持ちよくスタートしたバイクが嬉しい、ランの途中はだいぶ寒かったっけ。


あらためてトライアスロンはそのプロセスを楽しむ競技なのだと思う。
それは今朝のスタートからでなく、スタートに至るまでの練習、食事、睡眠、道具、、、生きているプロセスそのものを楽しめばよいのだと教えてくれたのトライアスロンなのだ。


走ったり、歩いたりを繰り返す。楽しかった一日がもうすぐ終わってしまう。終わる嬉しさよりなんだか寂しい気持ちが強い。残り4kmくだいだろうか。フィニッシュまで走りきるぞと思っていたけれど、ひゅんとエネルギーが切れた。最後の折り返しを静かにまわり、またしばらく歩いていた。自分がぼんやりと街灯に照らされたり、闇にまぎれたりしながら進む。


ゴールエリアが近くなり、再び走りはじめる。多少まばらにはなったけど、応援のみんなが待っている。ハイタッチを繰り返す。ようやくアイアンマンになれそうだ、ようやくここまでやってきたよ、インド赴任を目前にして出場できてよかった。色々なことがこみ上げてきた。目にはじわり何かがにじむ、グッジョブっていいながら、ハイタッチした見ず知らずの女性。彼女も嬉しそうだ。なんなんだろ、ただ走っているだけなのに。こんなに嬉しいのは。


何度も通り過ぎたフィニッシュゲートに向かう。直前によたよたと歩く選手がいたので先にゴールしてもらおうとペースダウンした。でも、彼は周回コース側に消えていった。


Uターンをして、赤と黒のフィニッシュラインに足を踏み入れる。
「ゴールはすぐそこだ。コージ!」というアナウンスもしてくれる。
うれしい。


左右からいくつもの手がのびる。
出来るだけハイタッチしようと、左右にゆれながらゴールに向かう。


じっとり雨と汗で濡れたバイザーを手に握りしめる。
両手を高くあげる。
全身に力をみなぎらせて、フィニッシュラインへ。


ようやく、たどり着いた。
ゴール。


長かった。
楽しかった。


本当に、ゴールできてよかった。
I am an IROMMAN!

おわり

  • ランタイム 2時間39秒25秒
  • カテゴリ順位 183/213 位
  • 男子順位 752位
  • 総合順位 892位
  • 総合成績
  • タイム 15時間13秒57秒
  • カテゴリ順位 205/213 位
  • 男子順位 885/945位
  • 総合順位 1058/1143位