パパ
娘が1才になった。
生まれたときから比べれば、倍くらいの大きさになってる。
だがまだ、できることといえば、つかまり立ち。
やっとしゃべる言葉は「パパ」だけだ。
いたずらも大好きで、なんでもひっくり返して遊ぶ。
新聞はぐちゃぐちゃだし、
たたんだばかりの洗濯物も、片っ端から広げてる。
先日、かみさんがキッチンに立っているときに、ガタンと音がした。
案の定、娘が柵をむりやりこじ開けて、ハイハイしながら
キッチンにやってきたところだった。
「あら、あぶない!」
かみさんは、娘を抱きあげてこう言う、まだ理解できるわけでは
ないが、こう問いただす。
「柵を、こじあけちゃった人は誰ですかぁ?」
1才の娘は、きょとんとして言い返す。
「パパ。」
かみさんは、苦笑い。